
ファミリー向け賃貸の最近の傾向はどう変化している?家賃や選び方のポイントも紹介
近年、家族で暮らすための賃貸物件を探す方が増えていますが、ご自身にぴったりの住まいを見つけるのは意外と難しいものです。実際、家賃の変化や人気エリアの移り変わりなど、知っておきたい情報がたくさんあります。本記事では、ファミリー向け賃貸の賃料上昇の傾向や背景、安定した入居傾向、今後注目すべきポイントを分かりやすく解説しています。これから新たな住まいを検討する方は、ぜひ最後までご覧ください。
ファミリー向け賃貸の家賃上昇トレンド
全国的にファミリー向け賃貸の掲載平均賃料は上昇傾向にあり、特に首都圏では2025年9月時点で前年同月比約111.7%という高い伸びを示しています。たとえば首都圏全体のファミリー向け平均は143,502円となっており、直近の計測開始以降の最高値を更新しています。また近畿圏でも104.8%と上昇が続いています。
| エリア | ファミリー向け平均賃料 | 前年比 |
|---|---|---|
| 首都圏 | 143,502円 | 111.7% |
| 近畿圏 | 87,746円 | 104.8% |
| 福岡市 | 134,579円 | 118.6% |
特に東京23区ではファミリー向け掲載賃料が239,287円となり、前年同月比で113.4%と都心部の強い上昇傾向が見られます。大阪市も同様に137,882円で114.1%の上昇を記録しています。一方、福岡市では134,579円と東京23区や大阪市を上回る上昇率(118.6%)となり、地方都市でもファミリー層の需要が高まっていることが読み取れます。
このように都心だけでなく郊外や地方都市においても掲載賃料が広く上昇しており、ファミリー向け賃貸市場全体で強い上昇トレンドが継続しています。
家賃上昇の背景にある要因とは
まず第一に、建築コストや修繕・メンテナンスコストの高騰が、募集賃料の引き上げにつながっています。たとえば、総務省が公表したデータでは、2024年後半の「住居」に関わる「設備・修繕維持」の物価上昇率が前年同月比で2.8%と高くなっており、これがオーナー様にとってコスト増となり、家賃設定に直接影響していることがうかがえます
次に、近年の分譲マンション価格の急騰により、ファミリー層が購入から賃貸へ流れる構造的な変化も影響しています。特に東京23区では、2025年に新築分譲マンションの平均価格が1億3613万円と過去最高を記録しており「高くて買えない」層が賃貸市場へ移行している傾向が明らかになっています
さらに、インフレの進行によって全体的な家賃上昇の傾向が継続しています。建築費そのものは過去数年で30%以上上昇したとの指摘もあり、こうしたコスト上昇が賃貸住宅の新規建築や投資にも影響し、結果的に家賃に転嫁されていると考えられます
| 要因 | 具体的な内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 建築・修繕コストの上昇 | 設備・修繕維持費+2.8% | 新規募集家賃の水準上昇 |
| 分譲価格の高騰 | 東京23区で平均価格1億3613万円 | ファミリー層が購入を断念し賃貸ニーズ増 |
| インフレの継続 | 建築費3割以上上昇 | 賃貸料全体の上昇圧力 |
ファミリー向け賃貸の安定した入居傾向
ファミリー向け賃貸物件は、単身世帯に比べて入居者が長期間住み続ける傾向があり、賃貸経営において安定した収入を期待できます。公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が公表した調査によると、単身世帯の平均居住期間は約3年3か月であるのに対し、ファミリー世帯は5年3か月と、およそ2年の差があります。この長期入居は空室期間や原状回復費用を抑える効果があり、経営の安定化に寄与します
加えて、駅から徒歩10分以内で築25年以内のファミリータイプ物件では、平均入居期間が6.8年と一層長期になりやすく、これも回転率の低さ=長期安定につながる条件として注目されています。こうした立地・築年の組み合わせは、長く住み続けやすい環境としてファミリー層に支持されやすいといえます
さらに、年収300万円前後のファミリー層にとっては、家賃負担が無理のない範囲に収まるエリアであれば長期入居を志向しやすい傾向があります。たとえば月額家賃を8万3,000円程度に抑えられれば家計への負担が軽減され、入居の継続につながりやすいという特徴があります
下表は、こうした安定した入居傾向をもたらす主な要因を整理したものです
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 長期居住 | 単身3年3か月に対しファミリーは5年3か月。回転率が低く経営安定 |
| 好立地・築年条件 | 駅徒歩10分以内・築25年以内では平均居住6.8年とより安定 |
| 家賃負担の適正化 | 年収300万帯では月額約8.3万円が目安であり、無理なく長期住みやすい |
以上のように、ファミリー向け賃貸は入居期間の長さ・好条件の物件・家賃の適正さなどが組み合わさることで、非常に安定した入居傾向が見込まれます。
今後注目すべきエリアと条件
以下の内容は、信頼できる情報に基づいています。
| 注目ポイント | 概要 |
|---|---|
| 地方中核都市の広さ重視ニーズ | 福岡市や札幌市など、政令指定都市では20~40代の転入超過が続いており、ファミリー層の広さ重視の住み替えニーズが底堅くなっています。 |
| 湾岸・再開発エリアの注力 | 有明エリアでは2026年春に開業予定の「東京ドリームパーク」をはじめ、複合施設開発が進み、注目が高まっています。 |
| 性能数値で評価されるファミリー物件 | 2026年以降、築古でも小規模リフォームなどで性能を高めた物件が明確に差別化され、ファミリー物件の価値が評価されやすくなる傾向です。 |
まず、地方中核都市に注目すると、福岡市や札幌市では20~40代の転入超過が続いており、広さ重視の住み替え需要が非常に強いことが分かります。政令指定都市においてファミリー向け需要が安定していることは、不動産市場の信頼性にもつながります。
また、湾岸および再開発エリアでは複合施設の整備が進んでいます。江東区・有明エリアでは、テレビ朝日が進める「東京ドリームパーク」の2026年春開業をはじめ、住環境や商業施設、イベントスペースなどが融合し、魅力的な暮らしの場として期待されます。
さらに、2026年以降は「性能が数字で評価される」時代に突入するとされ、築古物件でも小規模な性能改善で差別化できるようになります。明確な改善によって空室期間が短くなるなど、ファミリー層にとって魅力的な賃貸条件を提供できる傾向です。
以上のように、(1)地方中核都市の広さ重視ニーズ、(2)湾岸や再開発エリアの魅力、(3)数値化された性能で評価される物件、という三つの条件が、今後のファミリー向け賃貸市場で特に注目すべきポイントです。
まとめ
近年、ファミリー向け賃貸物件の家賃が全国的に上昇しており、特に首都圏では前年同月比110%を超える地域が増えています。建築コストの上昇や分譲価格の高騰、インフレなどがその背景にあり、今後も安定した需要が見込まれます。また、長期入居傾向や地方都市の広さ重視のニーズが増えており、条件やエリア選びがますます重要となっています。ご家族の暮らしに合った物件選びには、最新の市場動向や条件をしっかり確認し、計画的に探すことがとても大切です。